登録政治資金監査人であり監査のプロである公認会計士によりクリーンかつ透明な政治をサポート

Ⅰ.政治資金監査の目的

1.政治資金規正法の目的・基本理念
 
○ 政治資金規正法は、政治活動の公明と公正を確保し、それにより民主政治の健全な発達に寄与することを目的とするものである。
 
○ 政治資金の収支の状況を明らかにすることがこの法律の本来の目的であり、これに対する判断は国民にゆだね、政治献金についての国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用すべきこととされている。
 
2.今般の政治資金規正法改正の経緯
 
○ 一方、事務所費や光熱水費等の政治団体の支出について、様々な報道・批判が行われ、政治資金の使い途に対する国民の政治不信が高まったところである。
 
○ このような政治資金の使い途に対する国民の政治不信を払拭するため、平成19年12月、政治資金規正法の改正案が議員立法として提案され、改正法が成立した。
 
○ この改正法の考え方は、国会議員が関係する政治団体の範囲を法律上明確にし、これに該当する政治団体に対して、収支報告の適正の確保と透明性の向上のために一定の義務を課すものである。
 
○ 具体的には、国会議員関係政治団体については、収支報告書を提出するときは、あらかじめ、収支報告書、会計帳簿、領収書等について、政治資金適正化委員会が行う研修を修了した登録政治資金監査人(政治資金適正化委員会の登録を受けた弁護士、公認会計士及び税理士)による政治資金監査を受けること等が義務付けられた。
 
 
 
3.政治資金監査の基本的性格
 
 ○ 新たに創設された政治資金監査制度は、国会議員関係政治団体の収支報告の適正の確保を図ることを目的として、以下に掲げる基本的性格を有するものであり、制度の運用や政治資金監査の実施に当たっては、この基本的性格を十分に踏まえることが必要である。
 
○ 政治資金監査は、外部性を有する第三者による監査である。
・ 政治団体の収支報告書については、総務大臣及び都道府県の選挙管理委員会において審査が行われているが、これは収支報告書の形式や収支報告書に記載すべき事項の記載が十分であるかどうかについて、行政庁の職員が形式的に審査するものである。政治資金監査は、収支報告書のみならず、国会議員関係政治団体の内部資料である会計帳簿や領収書等の現物を含め、外部性を有する第三者が国会議員関係政治団体のすべての支出をチェックする制度である。これにより、当該国会議員関係政治団体のすべての支出について、支出の相手先、目的、金額、年月日等が外部的な目で確認されることになり、内部のみで処理されることによって生じうる誤りを防ぐとともに、これまで以上に収支報告の適正の確保と透明性の向上を図ることができるものと期待される。したがって、政治資金監査においては、外部性の確保が重要であり、国会議員関係政治団体と一定の関係を有する登録政治資金監査人は当該国会議員関係政治団体に対する政治資金監査業務が制限されることになる。
 
○ 政治資金監査は、職業的専門家による監査である。
・ 政治資金監査を行うのは、政治資金適正化委員会に登録政治資金監査人として登録を受けた弁護士、公認会計士及び税理士である。それぞれ法律、監査及び会計、税務に関する国家資格を有する専門家として、高い能力と識見を有するとともに、公共的使命を担うものとされている。加えて、登録政治資金監査人は、政治資金監査の実施に当たっては、政治資金適正化委員会が行う政治資金監査に関する研修を修了することが要件とされている。政治資金監査は、このような職業的専門家が、その知識と経験を生かして公正かつ誠実に監査を行うものであり、政治資金の適正化に資する質の高い監査とすることが期待される。
 
  ・ なお、この政治資金監査は、公認会計士の行う監査証明業務に該当しないものである。したがって、政治資金監査報告書は、政治団体の収支報告書や会計帳簿等の適正性・適法性について、意見表明を求めるものではない。
 
○ 政治資金監査は、会計事務に対する外形的・定型的な監査である。
  ・ 政治資金監査は、政治資金規正法及び政治資金監査に関する具体的な指針(以下「政治資金監査マニュアル」という。)に従って、政治団体が管理すべき会計帳簿等の書類が保存されているかどうか、それらの書面の記載が整合的かどうかを外形的・定型的に確認する業務である。また、政治資金監査を行うに当たっては、いうまでもなく政治団体の政治活動の自由を尊重することが求められるものであり、政治資金の使途の妥当性を評価するものではない。
・ 登録政治資金監査人は、第三者に対する調査や資料要求を行う権限を付与されていないことから、もっぱら会計責任者の責任において作成、提出された資料及び会計責任者の説明に基づき、支出の状況を確認することが期待される。この場合、政治資金監査の適正さを確保するため、政治資金監査は当該国会議員関係政治団体の事務所において行い、領収書等の関係書類は現物を確認しなければならない。
 
○ 政治資金監査は、当事者間の相互信頼に基づく監査である。
  ・ 政治資金監査は、登録政治資金監査人と国会議員関係政治団体との双方の当事者間の契約に基づいて行われる業務であり、本指針に基づく政治資金監査を効率的かつ効果的に行うためには、一連の政治資金監査手続において会計責任者の協力が不可欠であり、また円滑な政治資金監査の実施は当該国会議員関係政治団体にとっても有益である。
 ・ 国会議員関係政治団体の会計責任者は、収支報告書を提出するときは、登録政治資金監査人の政治資金監査を受けなければならず、他方、登録政治資金監査人は、政治資金監査を行ったときは、政治資金監査報告書を作成しなければならない。各当事者は、それぞれの義務を果たすべく、相互信頼に基づいて、政治資金監査業務を円滑に行うことが期待される。
 
 
 
4.政治資金監査に関する具体的な指針(政治資金監査マニュアル)の位置付け
 
○ 政治資金監査マニュアルは、登録政治資金監査人が政治資金監査を行うに当たっての具体的な指針を示すとともに、登録政治資金監査人の行う政治資金監査の質の確保と政治資金監査業務の一般化・標準化を図るものであり、登録政治資金監査人は、この政治資金監査マニュアルに準拠して政治資金監査を行うことが求められる。